感情的に訴えるということの意味

ワロンによると,人間が発達する方向性の捉え方には,環境に働きかけて何かが出来るようになること以外にも,自分の中で自分の感情をたかぶらせ,それを周囲に発散するということのように,自己内環境への働きかけ,あるいは自己の表現とでも言うべきものも…

京都大学:第14回大学教育研究フォーラム

今日は研究会のお知らせです。 3月の終わりに京都大学第14回大学教育研究フォーラムが開催されます。大学における批判的思考の教育・研究にご関心のある方は以下のセッションに是非ご参加ください。 http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/forum/2007/index.htm…

格差を生み出すのは・・・

いま日経新聞では前FRB議長のアラン・グリーンスパン氏の自伝がコラム形式で連載されています。今日特にはっとさせられたのは格差が生み出される仕組みについての一言でした。 現在社会は科学技術や知識の急速な革新によって、産業の現場では常に新しいス…

阪大学長の記事:議論できる喫茶店を

今日の日経新聞のコラム・コーナーで,大阪大学学長の鷲田清一氏のインタビュー記事を拝見しました。内容は一言で言うと,いま流行の日本のカフェでは議論ができていないし,かつてのジャズ喫茶などのように文化も担っていない。17世紀後半の英国で生まれ…

アーギュメントの要素を図示する

以前から教育心理学の領域では,主張を組み立てる際の規範的モデルとして,トゥールミンのモデルが利用されてきました。このような主張の組み立てを図示してきた人々の研究をレビューした論文をたまたま見つけたので紹介いたします。Chris Reed and Glenn Ro…

教育再生会議の第3次報告書原案

教育再生会議の第3次報告書原案では,大学教育については「英語での授業を増やす。当面30%の授業を英語にすることを目指す」ことが盛り込まれていました。 ネット上でも検索しましたが,なぜか多くの新聞社のサイトでは,このことは取り上げられていなか…

Goldin-Meadowのジェスチャー研究

Susan Goldin-Meadowというジェスチャー研究者の研究紹介サイトです。彼女の研究が動画つきで紹介されていますので,大変お得です。短いので読みやすいですし。 http://goldin-meadow-lab.uchicago.edu/sgm/sgm_research_state.html

Eureka !!!!

この間の放送大学の面接授業以来,多くの方に書き込みをいただきました(個別にはお答えできませんが,本当にありがとうございます)。それについて,自分は授業で何をして差し上げることができたのだろうか,また,これから何をもっとして差し上げることが…

放送大学面接授業の授業記録

「創造的な学びと思考の心理学」受講生のみなさま 書き込みありがとうございます。二日間ご静聴ありがとうございました。 以下に,授業中ご紹介したものを再掲致します。科学と宗教作者: アリスター・E.マクグラス,Alister E. McGrath,稲垣久和,小林高徳,倉…

これはすごい!デモックス(democs)とやら。

大阪大学CSCD科学技術コミュニケーション・デザイン・プロジェクトの非公式ブログで,デモックス(democs)というのを見つけました。 http://cscd-stc.weblogs.jp/blog/2007/10/post_5f93.html ゲーミング・シミュレーションによって,市民生活にとって大事…

コミュニケーション関連おすすめの本

突然ですが,コミュニケーション関連のおすすめの書籍をご紹介します。先日,ある講座でご紹介したものですが,せっかくですのでここでもご紹介したいと思いまして。1.ビジネス・マナー編社会人基礎力養成講座 役立つ職場のマナー作者: 社会人基礎力養成講…

Speak Out! これは良い本だ

ディベートの本はいろいろと日本でも出てますけど,いろいろなところで実際に活用されたものが集約されて書かれた本というのは,なんだか頭にすっと入ってきます。 今日ご紹介する本は教えるのがうまいなあと思わせる本でした。パーラメンタリー・ディベート…

殿堂入り(かも):曖昧なニラ玉

長年,僕はニラ玉をうまく作れなかった。たまに一番だしを自分で作ったときなどには,「今度こそ」という感じで挑戦するのだけれども,的を得たニラ玉にならなかった。 だが,しかしついに今日,自分流のニラ玉がそれなりに完成しました。ここにレシピを書い…

本が出ました!

宣伝です。 ナカニシヤ出版から『説明の心理学』が出版されました。説明の心理学―説明社会への理論・実践的アプローチ作者: 比留間太白,山本博樹出版社/メーカー: ナカニシヤ出版発売日: 2007/10メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) …

研究会のお知らせ

今日は研究会のお知らせです。どなたでも予約なしでご参加できます。これからの大学教育のあり方にご興味のある方は是非いらしてください。******************************** 第18回 次世代大学教育研究会のご案内 日時:10…

「パーラメンタリーディベートセミナー in 九州 2007」

宣伝です。 もうすぐになりますが,10月2日(火)に,「パーラメンタリーディベートセミナー in 九州 2007」というイベントが天神の岩田屋本館で開催されます。 今日,日本では英語によるコミュニケーション能力や論理的思考力を高める手段として英語ディベ…

議論におけるフレンドリー・ファイア

大学生や大学院生の話し合いを見ていると,よく見かけるのが,すぐに相手に同意してしまうという傾向です。これについて,以下のページで言及されているのを見つけました。クリエイティブになるための準備体操(2) 「フレンドリー・ファイア」に注意せよ 互…

論理の使い方における個人差

ふと思いついたので書き留めておきます。「論理的かどうか」ということはいろいろな状況で論じられます。そのとき,論理的であったとしても,その論理をどのように利用するかは頭の良い人たちの間でも分かれるのではないかと,ユニクロでブラブラしていると…

教育において“意味のある”投資とは?

iTunesですばらしいサービスが始まっているのを今日知りました。梅田望夫氏のフォーサイトの記事を読んで。 http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u130.html そうです。つまりiTunes U というサービスです。これは今のところアメリカの大学だけ…

試験期間が終わったら読む本

西南学院大学で僕の講義を受講する皆さん。 今日は皆さんのための書き込みです。もし授業を通じて「こんなこと,あんなことをもっと勉強したい」と感じた皆さんにいろいろな本をご紹介します。 まずは「学校のお勉強っていったい何だったのか」というテーマ…

WebサーバーとStreamingサーバーの同居時のトラブル解決法(マニア向

久しぶりの書き込みとなります。今回はAppleのMacOSXでサーバーを運用している人しか読んで分からない内容なんで,マニアックかと思います。が,自分のためのメモとして。いまとある目的のために,MacMiniをウェブサーバーとして運用しつつ,かつストリーミ…

今週末は徳島へ

今週末は,ジャストシステムにて研究会。ということで,土曜に徳島にある本社へ行って参ります。当日の資料はこちらジャストシステムは,今大学教育を中心として,教育に力を入れているそう。今後の研究の発展にうまく繋がるかもしれない研究会なので楽しみ…

早稲田で出張講義?

今週は早稲田大学で出張講義の予定です。ご関心のある方は,下記に情報がありますので,どうぞご覧下さい。 http://www.f.waseda.jp/harada/courses/2007/manual07-j.html#lectures しかし,早稲田大学は今はしかで休講中。中止になるやもしれません。内容は…

代数幾何のおべんきょう

一年くらい前にも書きましたが,代数幾何のおべんきょうを少しずつ進めています。今年はなんと豪華にも,数学を大学で教えている知人のIさんにお願いして,家庭教師的に行列計算のいろはを教えて頂いている。やはりすぐにその場で質問ができると理解が進み…

生態学的議論研究のための根拠資料1

いまギブソンの『生態学的視覚論』を読みなおしているのですが、ギブソンが会話などの社会的相互作用についてもアフォーダンスというものの見方のほうが、伝統的なものの見方よりも適していると考えていたことを示す一節を見つけました。 備忘録として、引用…

プロジェクトのホームページのご紹介

今日は宣伝です。 少し前になりますが、id:eteduは科学技術振興機構の公募プロジェクトに参加しています。そのホームページができていますので、ここで紹介させてください。http://www.lssl.jp/ URLのlsslはちょっとした言葉遊びで、Learning Science for Sc…

ネットワーク分析による議論の質の測定

こんにちは。かなり久々の書き込みになります。いろいろと研究に関して進展がありましたので,書きたいことはたくさんありますが,あまり時間がないので今日は先日出版された紀要論文のご紹介だけしておきます。全文がPDF形式でダウンロードできます。議論の…

知のアリーナでの格闘を堪能

今日は九州大学ユーザーサイエンス機構の授業で,茂木健一郎さんの講義(抗議?)を拝聴しました。ほとんどの話はそれほど目新しくありませんでした。知っていたことが多かったし,「そりゃあそうだよね」ということばっかりでした。 じゃあ,つまらなかった…

東京でのプロジェクト・ミーティング

放送大学が終わって,研究プロジェクトの会議があったのですが,こちらも長丁場で正味6時間くらいありましたかね(!)。でも,普段雑務が多いので,研究のことを考えたり,議論しているだけで安心したりします。4月からは,これまで関わったことがないタ…

はじめての放送大学

先日,初めて放送大学の面接授業というものの講師を担当しました。ほとんどの受講者は僕よりも人生経験が豊富な訳で,僕が教えるというのも変な話。むしろいろいろ教えてもらったほうがいいのでは?と思わないでもなかったのだけれども,まあこういうのも経…