阪大学長の記事:議論できる喫茶店を

今日の日経新聞のコラム・コーナーで,大阪大学学長の鷲田清一氏のインタビュー記事を拝見しました。

内容は一言で言うと,いま流行の日本のカフェでは議論ができていないし,かつてのジャズ喫茶などのように文化も担っていない。17世紀後半の英国で生まれたコーヒーハウスをモデルに,政治や学問や身近な問題について自然に話し合うカフェを作っていくべきだいうものでした。

こういった提言はこれまでも多くあったのですが,期待できるのは既にある試みが始まっているとのこと。阪大と喫茶店会社と鉄道会社がくんで今計画をすすめているのだそうです。

大阪には福岡と少し違って,見ず知らず人たち同士で議論をする風土があるように思えるので,阪大がこういった動きをみせるのはある意味自然なことかもしれない。また,鷲田氏が京都大学の哲学科卒なのも大きく関連しているだろうなということを感じさせます。

翻ってここ福岡にはどんな文化的素地があるだろうかと考えると,1つは「博多にわか」じゃないかな。以前の福岡には,中央に対してもの申すという独自の気概あったことが博多にわかの中に感じることができます。政治や経済,社会のことを自分たちのこととして,直接知らない人同士と議論を共有することは,この時代,欠かせないと思う。それを引っ張っていくのが大学の役割の一つだと思っているので,まずは大学の中で議論することが大事なのかもしれないと思います。