人工知能系の研究会に行ってきました

 第45回人工知能学会 言語・音声理解と対話処理研究会(JSAI SIG-SLUD)に参加してきました。長崎の「やすらぎ伊王島」っていうところです。
http://winnie.kuis.kyoto-u.ac.jp/sig-slud/

 せっかく近くで開催されるし,なにかいい情報があったら儲けものだなっていうくらいで参加したのですが,本当にいい研究会で,今回,こういう縁があって本当にラッキーでした。

 何が良いかって,この研究会では,文系の研究者と理系の研究者が本当の意味で普通に対等に議論していて,互いを尊敬しあっている雰囲気があふれていました。なにかと「学際的」っていうのが多い昨今ですけど,思考スタイルや研究スタイルが違う研究者を尊敬しあっているところを見ることはそれほど多くありません。そういう中で,本当に貴重な研究コミュニティだなあと感じました。

 参加者の一人と話をしたときに,工学研究に文系の研究者はどう貢献できるのかって聞いたのですが,工学研究者は結構文系の研究者と議論する場所を求めているらしいことが分かりました。特に理論的背景なしに工学研究をやっていることが多いらしいので,そういうときに理論的な話ができる人がいると,全く研究の進みぐあいが変わってくるそうです。

 で,さらには,実は議論研究の理論とか知見も,人工知能が会話情報を処理する上で結構役立つらしいことも分かりました。議論の会話情報から,議論の要素を自動的に抽出し,人と議論するプログラムが可能になれば,それを普通の会話の理解にも応用すると,いろいろ研究が広がるっていう訳です。

 いろいろな人に出会えて,これからの研究ライフがもっと楽しみになりました。今回できた人脈とこれまでに知っている人を引き合わせることで,さらに研究の連携に広がりができるかもしれません。いま,密かにその仕掛けを考えているところです。やっぱり「流学*1」は楽しいですね。

 ちなみに,今回行った「やすらぎ伊王島」,すごく良いところです。長崎に旅行の際には是非利用されてくだされ。

*1:造語です。留学は国外に勉強にいくことですが,流学は他の研究分野に入り込んで勉強することを指します。留学よりも,流学の方が超えるべき壁は大きいことが多い。