知のアリーナでの格闘を堪能

 今日は九州大学ユーザーサイエンス機構の授業で,茂木健一郎さんの講義(抗議?)を拝聴しました。ほとんどの話はそれほど目新しくありませんでした。知っていたことが多かったし,「そりゃあそうだよね」ということばっかりでした。
 じゃあ,つまらなかったのか?・・・とんでもない!思わず涙が出そうになりましたよ,言ってることが真っ当すぎて。ふだん「これおかしいよなあ。本来ならこうなのになあ」と思うことを,氏の言葉の裏打ちによって支えてもらったような気がしました。氏がテレビで猫をかぶってるってこともよおく分かりました。今回の会場はアクロス福岡1Fにある円形のセミナールーム。ここがまさに円形闘技場のアリーナのごとく,氏なりの愛情あふれるジャブの応酬が繰り広げられました。
 感銘を受けたことは多くありましたが,一つ「やっぱりな」と思わせられたこと,それは有能な人ほど教育を大事にするのではないかということでした。この仮説に初めて明確に気付かせてくれたのは,東京大学の岡田猛氏の集中講義のときでした。創造性の高い人はその技をいかに伝えるかということに非常に高い関心を示す,今のところなぜだかよくわかんないけど。っていうような話でした。
 茂木さんは,かなり大胆な方法ではあったけれども,質問をしたフロアの参加者1人1人の話を良く聞いておられました。そして1人1人の状況に合わせて非常に細やかな神経を使って少しずつ対応を変えて,変幻自在に答えていました。それは1人1人を揺さぶろうとするとても教育者然とした姿でした。というわけで,授業を一生懸命しない先生は一流ではない,研究者としても,1人の社会人としても。。。そういう信念がますます強まりました。

 今日の話の中で引っかかった言葉のメモを以下に残しておきたいと思います。

  • 平均値へと引きずりおろすピア・プレッシャー
  • もったいぶるのが教授の仕事?
  • 第2の大航海時代(富田のメモ:大航海時代は大公開時代ってことでまとめられますね)
  • ニーチェの言う「超人」とは?
  • 「それって人間をバカにしていないか?」
  • 人生の起源 → 幻影への着地
  • 創造性の秘密は隠すこと,隠れること
  • スクリーン・メモリー
  • 偶有性
  • 点数化できることは既にエスタブリッシュされたものしか評価できない。だから,そういった評価のものさしではなく,まだ評価の軸が定まっていないものを評価する目利きが必要なんだ。(by MITの石井さん)
  • 学習する悦びは1人1人の心にある。
  • 哲学的ゾンビ

 なんのことだか分からないでしょうけれども,イメージをふくらませて遊んでください。自分用のメモですけれども,基本的に。