キーグラフ活用ツール,Polarisを使ってみました

 いま,とあるプロジェクトのデータ分析の一貫で,質問紙の自由記述の部分をキーグラフで分析しようとしています。

 キーグラフとは,文内に含まれる単語の共起情報に基づいて,グラフを作成し,そこから何らかの有用な手がかりを得ようとする一連の手法を指します。

 ずっと以前からキーグラフの無料アプリケーションは,構造計画研究所のHPから体験版が入手できていたのですが,形態素解析と統合されていなかったですし,いろいろいじってみると,共起頻度を計算するためのアルゴリズムがちょっと怪しい感じでした。

 ところが最近,便利なツールが公開されています。最近っていうのは僕が知ったのが最近ってことで,記録を見ると,割と以前からアップされていたようです。それがPolarisです。これは岡崎直観氏がおそらく作成されたプログラムだと思いますが,以下のサイトに詳細があります。
http://www.chokkan.org/xoops/

 結論から言うと,結構便利です。使えます。

 とってもすばらしいのは,グラフ上に出てきた単語(ノード)をクリックするだけで,その単語のコンコーダンスを参照することができる点です。かなりユーザーの観点に立った設計になっていて,感謝感激です。また,グラフ上の操作で,削除する単語を選んだり,単語を結合させるといった操作までできます。それに,共起頻度の程度を3段階で,グラフの線の太さに反映させることができるということが良いです。これもこれまでになかったもので,本当に大助かりです。

 もちろん難点も多々ありますが,こういうソフトがタダで配布されていることに多謝。