議論研究の道具

 こんにちは。最近は,もっぱらカビとの格闘に忙しいeteduです。先月と今月は,ずっと仕事場にいることが多くて,家を空けたままにしておいたら,カビに乗っ取られそうな情勢になっていました。カビが家賃払ってくれるなら,引き渡してもいいのですが。

 で,カビと闘っている時間以外に何をやっているのかと言いますと,最近はもっぱら議論研究のための道具のお勉強です。

 1つは,今日だいぶ使い方を覚えてきた,Anvilというソフトウェアです。動画と文字情報を統合的に扱える,ソフトウェアでいろんな良いところがあります。観察の動画記録と,その書き起こし,そしてさらにそれに対するコーディングなど,様々な情報を統合的に記録できる上に,コーディングの手続きやコーディングマニュアルの作成も支援してくれます。しかも,マックだろうが,ウィンドウズだろうが,お構いなしに動きます。そして,これがまたフリーソフトです。Kippさんというドイツの方の博士論文の一部だそうです。ちょっと期待しているのが,コーディングした情報同士をリンクさせる機能がついているということです。まだよく分かりませんが,なんだか便利そうです。マニアックなところでは,xmlという汎用のマークアップ言語で,データを処理しているという特徴がありますので,データ分析の際に,かなり柔軟性が高そうです。結構,取っつきにくいですが,その労力を払う価値はありそうです。
http://www.dfki.de/~kipp/anvil/

 このソフトを含めた,いろいろな動画情報の処理をサポートするソフトが,昨年の日本心理学会で紹介されたようです。
http://www.osakac.ac.jp/labs/komori/jpa2005ws/

 もう一つ,覚えつつあるのが,matxという演算用ソフトです。行列計算によって,議論中の発話と発話の類似度を推定し,議論の話題の変遷を自動的に割り出すプログラムを開発したいので勉強してます。工学系の人が使うソフトっていうことで,おっかなびっくりでしたが,さわってみるとものすごい簡単でした。なんだかこれまで手をつけられなかったのが悔しいです。コマンドラインで打ち込むソフトウェアって,心理的な壁が高いのですが,実はそんなに難しくはないのでした,実際は。一番の敵は自分ということなのでしょう,きっと。
http://www1.bbiq.jp/kougaku/matx_intro.html