代数幾何のおべんきょう

 一年くらい前にも書きましたが,代数幾何のおべんきょうを少しずつ進めています。今年はなんと豪華にも,数学を大学で教えている知人のIさんにお願いして,家庭教師的に行列計算のいろはを教えて頂いている。やはりすぐにその場で質問ができると理解が進みます。

 僕はまだ数学に対して非常に大きな抵抗というかコンプレックスがあってまだまだ勉強するのがそれほど楽しくはないのだけれど,少し楽しくなってきました。それはなぜか。ようやく分かったのは,僕が苦手だったのは高校までの数学だったんですよね。目的も歴史的背景も習わないで,いきなりその結果を身に付けさせる。そういうのが高校までの数学だったのです。でも大学の数学は,特に工業系の数学は,目的がしっかりあって,そのために身に付ける訳。そういう数学は本当に理解しやすい。目的だけでなくて,やっぱり歴史も大事だと思う。誰がいつどうやってその数学的概念を作ったり,改善したのか,それはなぜ今でも残っているのか。何に使えるのか。歴史的にどんな意味があるのか。そういうことをしっかり学ぶことで,数式の理解もすんなり入ってくるのです。

 もちろんそんな背景など知らなくても,数学的な世界が楽しいという人もいるでしょう。しかし,マジョリティはそうでないと思います。文系には高校の数学ではなくて,大学の数学が必要なのではないでしょうか。

 これからの社会科学,人文科学は,特に総合的な研究をしようとすると,数学は絶対にあったほうがいいものです。大学の文系コースでの数学履修は導入の価値が大いにあります。ただ,先生には文系の思考法が理解できる方が必要ですね。それは目的とか歴史を大事にする数学の先生という意味です。

 まあ,今日は単なる独り言ですが,数学に未練のある方,必要な方への多少なりともの福音になればと思います。

 おまけでさきほどのIさんから紹介していただいた,よさげな代数幾何の本を紹介しておきます。なんで行列を使うのか,なんでそれが便利なのかの説明が素晴らしいと思います。今からべんきょうしますから,まだそれほど中身は読んでいませんが。

行列と行列式 (現代数学への入門)

行列と行列式 (現代数学への入門)