議論におけるフレンドリー・ファイア

 大学生や大学院生の話し合いを見ていると,よく見かけるのが,すぐに相手に同意してしまうという傾向です。これについて,以下のページで言及されているのを見つけました。

クリエイティブになるための準備体操(2) 「フレンドリー・ファイア」に注意せよ

 互いにすぐに同意しあうことを「同士討ち」(フレンドリー・ファイアー)と表現しているようです。見かけ上は仲良くやっている訳ですから,この表現はちょっと新鮮でした。机の上では仲良く振る舞っていて,机の下では互いの能力を発揮しないように同士討ちをやっているというようなイメージでしょうか。

 教育研究でいくつかこのような指摘を,僕のも含めて,行ってきている研究があるが,まだまだ足りないと思います。表面的に仲良く話しあって,すぐに相手の話に同意してしまい,互いの意見の間にある微妙なニュアンスの違いを認めないことが,いかに創造性の芽をつんでしまっているか,教育者はもっとシビアに現実を見つめるべきではないかと思っています。